
小柄な人・女性ライダーに難易度の高いUターン
大型バイクに乗る時に苦労を感じるのは、走行中よりもむしろ下りたときです。
一旦シートにまたがって走行さえしてしまえば自由にあちこち運転して動かしていくこともできますが、エンジンをかけない低速時には車体の重みを自力でなんとか制御をしなければいけません。
体格のよい男性などバイクの大きさや重みに負けない力があるならばそれほど苦労はないのでしょうが、小柄な人や女性ライダーなどは大型バイクの取り回しは大変な作業です。
低速運転で面倒なのが途中で完全に止まってしまい立ちゴケの状態になってしまうとそこから起こすのに苦労してしまうからです。
ですので出来る限り力を使わないようにするため、低速で運転しながら自分の思うような方向にバイクを動かせるようになっておくことが大切です。
バイクで街乗りをしているとしばしば遭遇するのが駐車場などでの細かい方向転換です。
狭いスペースで進路を変更しようとするとどうしても細かい動作が必要になり、何度も切り返しをしなければいけなくなります。
初心者のうちは細かいUターン運転をするときには一気に180度でターンをしようとするのではなく、まずは90度、次に90度といったような刻みながらの操作にした方がよいでしょう。
エンジンでUターンするには2車線が必要
まず大型バイクでエンジンをかけた状態のままでUターンすることを練習してみましょう。
Uターンに苦手意識を持っている人のほとんどは、Uターンをするときにはできるだけ狭いスペースで回らないといけないという意識が強すぎるため、方向転換時に極端に車体が傾いてしまっています。
しかしプロでも低速でバイクを完全にUターンさせるためには2車線くらいの広さが必要になりますので、最初から狭いスペースでの転換を目指す必要はありません。
最初は平均的に2車線内でUターンができるようになるために、公道ではなく人通りのない駐車場で練習をするようにしましょう。
慣れてくると車線がなくても自分がどのくらいのスペースならスムーズに転換ができるかという感覚がつかめてくるのでだいぶ運転へのプレッシャーが少なくなります。
どうしても狭いスペースで転換をしなければいけないなら、Uターンではなく切り返しで行う方がずっと楽です。
無理に乗ったまま転換しようとして立ちゴケするくらいなら、いっそ一旦下りて切り返しをした方が心理的にも優しいと私は感じます。
低速運転でUターンをするときのポイントは、「フロントブレーキを使わない」と「クラッチを完全に開かない」ということです。
急な方向転換時にフロントタイヤがロックされてしまうとどうしてもバランスを崩しやすくなるので、ブレーキが必要なときはリアブレーキをゆっくりかけるようにします。