トラブルの原因の多くはブレーキシューやブレーキパッドの摩耗
安全運転をする上で、ブレーキは絶対確実な整備をしなければなりません。
乗っている間にブレーキトラブルが生じて、スピードをコントロールできなくなったら死につながる大事故になりかねません。
そこで、ブレーキトラブルはどこが原因で起こるのかを知り、定期的にチェックとメンテナンスを行うようにしましょう。
まず、トラブルの原因の多くはブレーキシューもしくはブレーキパッドの摩耗によります。
ブレーキにはいくつかのタイプがありますが、どれも基本的にはホイールに固定されているディスクやドラムなどのパーツを挟んだり圧迫したりして摩擦を起こし、その摩擦で減速させるというものです。
その摩擦を起こす部分がブレーキシューやブレーキパッドと呼ばれるものです。
当然、とても大きな力がかかりますので、摩擦によって削れていくことになります。
また、ブレーキはエネルギーを熱に変換することでタイヤを減速させるという原理ですので、ブレーキパッドは高温になります。
温度変化も大きいので、劣化しやすいものなのです。
摩耗が進むとディスクやドラムとブレーキパッドの距離が遠くなりますので、その分ブレーキを踏んでもすぐに効かなかったり、余計に力が必要になったりします。
ライダーとしては、ブレーキの効きが悪いという感覚になるわけです。
ブレーキフルードの劣化もチェック
もう一つブレーキトラブルで起こりえるのが、ブレーキフルードという液体の劣化です。
ブレーキパッドやブレーキシューに強い力をかけるためには、ブレーキレバーを握った力にさらに圧力をかけて、ブレーキキャリパーというパーツに伝える必要があります。
その経路の一部にあるのがブレーキフルードで、オイルからできています。
しかし、密封状態が悪かったり古くなったりすると、オイルに水が混じるようになります。
水は熱を加えると、蒸発して泡になります。
この泡が液体の中に混じると、圧力をかけても泡が潰れることでパーツ内の圧力が高まっていきません。
その分ブレーキの力が弱く、いくらブレーキをかけてもスカスカした状態になってしまうのです。
これをペーパーロック現象と言い、下り坂などで急にブレーキが効かなくなる非常に危険なものです。
ブレーキが故障した場合の対処法
走行中にブレーキの効きが悪くなった感覚があったら、すぐに停車しましょう。
そして、ブレーキパッドの摩耗がひどいのか、ブレーキフルードが熱くなって水泡が入っていないかなどのチェックをすべきです。
どちらもその場では故障対応するのは難しいので、近くにバイクショップがあるなら手押しでバイクを持っていき、点検とパッドやブレーキフルードの交換をしてもらいましょう。
なによりも、定期的に点検をして劣化する前にどちらの部品も交換しておくことが重要です。